娯楽小説として主人公の鉄平が周囲の状況に心を振り回されていく感じを楽しむには良い作品です。結構一気読みでした。

たまたま知ってしまった妻の資産、その流れから発展して子供たちの問題を知ってしまうなど自分が如何に家族内で何も知らされていなかったかに愕然としてしまう。更に妻の資産の使い方にうそを感じて家族を捨てることを決意。とタイトルにあった内容で進んでいきます。

主人公の心の動きに共感できるところやできないところを感じながら読むのは面白いのですが、たくさん出てくるいろいろな伏線が最終的にあまり活かされていない様に感じるところは残念でした。まぁ、私が伏線と感じたものをミステリー小説みたいに活かしていこうとしたら、今の倍くらいの長さの長編小説になりそうですし、結果も変わってしまいそうな気もするのでこれでいいのかな。