希望の糸 [読書]
久しぶりに加賀恭一郎シリーズを読みました。
加賀恭一郎シリーズといっても今回の話の主人公は恭一郎ではありません。恭一郎と同じく本庁の刑事で従兄弟でもある松宮が主役です。恭一郎が仕切る特別捜査本部で松宮が捜査するので、恭一郎はたまに出てくる程度でした。
1つの殺人事件と松宮の家族(いないはずの父親)の話が並行して進んでいきます。共通点は家族。
殺人事件は当初難航しましたが、ふとしたことで解決してしまいます。ただ、松宮が腑に落ちないことから捜査を続けていきます。真実がわかるにつれ松宮はその真実を公表すべきかに悩みます。
全ては関係する人たちの家族のため。
恭一郎は松宮に”刑事は真相を解明すればいいわけではなく、本人たちによって引き出されるべき真実というものもある。その見極めに頭を悩ませるのがいい刑事だ”と言っています。さすが、人情派ですね。存在感を出してます。
また、松宮のお父さんについては複雑な状況だったことがわかり、家族としてのつながりが切れていなかったことに感謝します。事件によって家族というものを考えたことによる効果でもあるのでしょう。
加賀恭一郎シリーズは単なる刑事ものではないというところが魅力ですね。
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